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この空の花 長岡花火物語のユーザーネームのレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
4.5
フィクションとドキュメンタリーとファンタジーが洪水のように紛れた映画で演出に混乱及び爆笑しながらも凄まじい情報量を叩き込まれ最後らへんで圧倒されなぜか涙が止まらなくなるという稀有な体験ができる作品。
どこらへんが変かというとまず本編が始まる前のクレジットから「長岡から世界へ」とか「A movie essay」「遠藤玲子のワンダーランド」とか 普通の映画では出ないテロップが出て 既におかしな映画が始まる予感がするというか殺しの烙印もこの映画も変な映画はのっけから変。
本編はもっとぶっ飛んでて ドキュメンタリーっぽいナレーションがついてるんだけどさっきまでナレーションしてたと思ったらいきなり同じ声で画面に向かって話かけてきたり、ナレーションが止まらなく聞き取りが追いつかないのでそれを整理するためか字幕がついてくる けどその字幕も不必要なぐらい多い 例えば
この台本は声で出来てるんです→「声」
彼はトライアスロンをやってまして ↓
「トライアスロン」
とか聞き取れる会話まで字幕になる。
かと思えば一輪車の軍団がす~っと背景を通り過ぎていく所とかファンタジックなシーンもある 映画内にのみ存在する人物とその元となった実在の人物が出てきたり フィクションでありドキュメンタリーでもあると言った印象。
そういった大量の困惑を招くこの映画のクライマックスはこの映画でのみ成り立つ多幸感に溢れていて圧巻。ちゃんと 大団円 と字幕で出て来ます。(ここで爆笑しながら泣く)
正直良いのか悪いのか分からないけど他にこんな狂った映画は絶対に存在しないはず。
大林監督の他の作品も是非見てみたいです。