イチロヲ

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラのイチロヲのレビュー・感想・評価

5.0
研究者に庇護されている怪物サンダが、粗暴な性格をもつ怪物ガイラと激しい衝突を繰り広げる。「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」の姉妹編として製作された、東宝特撮映画。山幸彦と海幸彦がモチーフになっている。

人間ドラマと特撮パートのリレーションが、もはや芸術の領域。名曲「L作戦のテーマ」をバックにした自衛隊の活動が見応え満点であり、統率力のリアル感が半端ない。「メーサー光線(MASERなので厳密にはメーザー)」の初登場シーンも注目ポイント。

大人な関係になっている、博士(ラス・タンブリン)と助手(水野久美)。そこに、助手の慈愛を受けているサンダが割り込んで、奇妙な三角関係が作られる。山のサンダ(関田裕)と海のガイラ(中島春雄)の怪物演技が、不思議と情感に訴えかけてくる。

本作に登場する怪物は、動きが鈍重な巨大怪獣とは異なり、人間並みに素早い動きをすることが可能。個人的には、建築物を蹴り飛ばしながら全力疾走していく場面がフェイバリット。大きな画面と大音量で鑑賞したくなる、特撮映画の代表格。
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