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渚のシンドバッドのmingoのレビュー・感想・評価

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)
4.0
キネカ大森にて鑑賞。

橋口監督の長回しがもはや手段ではなく、技に変化した名画であったように思う。デビュー前の浜崎あゆみ、草野康太、岡田義徳、山本耕史それぞれの油断した表情、自然な振る舞い、そこに見える綻びこそ、実在感に繋がる映画の断片が垣間見えた一本。

透けたおパンティーさえ嫌な気持ちにさせない等身大演技の女優浜崎あゆみ、クラスのあるあるイケメン男子草野康太、山本耕史のダボついた立ち振る舞いからは90年代ストリートカルチャーを感じるし、ザ・お嬢様できっと良い大学にはいって良い家庭を築くなと思わせてくれる高田久美、と登場人物すべてが半端なくエモ。全員肩を組みたい。

描くべきとこは描く、描かないとこは描かない。みえない部分は観客に想像させ、結局のところ他人の中身までは見ることはできないし、そのうえでどう向き合うんだ、ということを伝える。うまい!テンポも良いし、シナリオも素晴らしい。それでいて高校時代を懐かしく思える人なら何かを感じ取れると思う。

それが何なのか、言葉にする必要もないししたくないのだけど、洋画では味わえない日本映画特有の味わいを堪能できる傑作。