監督・深作欣二
脚本・黒澤明
出演・高倉健、丹波哲郎
もーこれだけで観るの決めたっ!
「ジャコ萬」と「鉄」ってなに?と思ったらどちらも人の名前だった。
ジャコ萬はかつて九兵衛に船を奪われたうえに樺太に置き去りにされ、死の淵を彷徨った。
その船を使って九兵衛は漁師頭となったが、そこにジャコ萬が現れ、更には死んだと思われていた九兵衛の息子・鉄も帰ってくる——。
観たあとはすごくさっぱりする。
散髪したあとのように。
いってみりゃ理容師としてこの漁場を散髪しに現れたのが鉄(健さん)だ。
その言動や振る舞いはもちろん、ダサダサなヘンテコ踊り、薪を割ったり網を引いたり…“動き”そのものが快活で、鬱屈とした気分を解放させるものとなっている。
極めつきが大漁のニシンの躍動。
画面いっぱいにピチピチと跳ねるニシンのエネルギーと、とうとう爽やかに笑うジャコ萬は気持ちが良い。
珍しい健さんが見られる娯楽作。