<概説>
敗軍の侍大将と貧乏百姓二人は一攫千金・敵陣脱出の一挙両得を試みる。裏切りを重ねる百姓達を牽制しつつ、英雄は数十億円相当の金を自軍に持ち帰ることはできるのか。
<感想>
「ハイハイハイ!なるほど三悪人!」
視聴終了してみればタイトルの痛快さに手を叩いていました。いやはやなるほど。これはたしかに三悪人。
それまでは太平と又七のどうしようもなさにイライラしていたのですけれど、そこからこうまで後味を爽快にするのは流石の娯楽黒澤映画ですね。
それによく考えてみればイライラもそんな酷くはなく。
六郎太vs兵衛の一騎討ちでハラハラしたり、雪姫の面妖な美しさに頻繁に惚れぼれしてみたり。目を向けるべきにこそ終始目を向けていた印象があります。
いやさ本当にこのあたりのくだりはよかった。
一騎打ちなんてメインウェポンが槍ですからね。槍。
槍の白兵戦なんてどうやるんだと言う長年の疑問がようやく氷解しました。なるほど柄を折られたら敗北必至です。
『七人の侍』の槍衾にしても今回にしても、黒澤映画では槍のイメージを毎度更新されるジンクスがあるような。