大介

隠し砦の三悪人の大介のレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
5.0
自分にとって問答無用に特別な作品っていうのがいくつかあります。その中のひとつがこの作品ですね。

高校の頃、黒澤映画にハマるきっかけになった作品です。それ以前に某映画監督(ルーカスじゃないです)が好きな作品として挙げていて、たまたまレンタルショップで見かけて借りました。もう…それから何回観たか分かりません。

個人的に黒澤監督の作品の中でも、エンターテイメント性の高い作品のひとつだと思っているんですが、どうでしょうか。一人の脚本家が絶体絶命のピンチを作って次の人に渡す。渡された人は頭をひねって解決策を導き出すと、新しい絶体絶命のピンチを作って次の人に渡す。
そんなふうに知恵を絞って作られたシナリオだと読んだことがあるのですが…もしかしたら違ってるかも(汗)。でも、本当に面白い。

そして、三船御大をはじめいつもの黒澤組の方々。千秋実さんや藤原釜足さんのようなメインキャスト以外にも、少ない出番ですが志村喬さんや加藤武さん、上田吉二郎さんや沢村いき雄さん等々といった素晴らしい俳優陣。

そしてそして……ヒロイン雪姫を演じられた上原美佐さん。これがデビュー作で、全くの素人から抜擢された女優さんです。

自分はただの映画好きの素人ですが、素人目にもあまり上手いとは思えませんでした。

ただ、その存在感…オーラというか、特別な何かが彼女にはあったと思います。それが作品の演出上でそう感じたのか、卓越した撮影技術によってそう見えたのか…それは分かりません。でも自分は上原さんの魅力に取りつかれました。

Wikipediaによると、撮影にあたり乗馬を習い障害を飛越するまで上達したとあります。また、剣道も習ったそうです。

その後、わずか二年で「私には才能がない」と自ら引退したそうです。

でも、自分にとって「雪姫」は上原さん以外考えられないですね。

自分の「特別な作品」の「特別な女優さん」。亡くなられて10年以上経たれるみたいですが、この作品と共に自分の中で大切な存在として、いつまでもあり続けます。

蛇足ですが、リメイク版は「椿三十郎」共々観ていません。