鍋レモン

ショーシャンクの空にの鍋レモンのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.4
⚪概要とあらすじ
スティーブン・キングの中編「刑務所のリタ・ヘイワース」をティム・ロビンス&モーガン・フリーマン主演で映画化した人間ドラマ。

長年ショーシャンク刑務所に入っている囚人レッドと無実の罪で収監された元銀行副頭取アンディの友情を軸に、アンディが巻き起こす数々の奇跡が描かれる。

⚪キャッチコピーとセリフ
“希望は、誰にも奪えない”

「がんばって生きるか がんばって死ぬかだ」

⚪感想
人間ドラマ作品。

スティーブン・キングの多才さ。ホラーから人間ドラマまで幅広すぎ。
青春や友情を描かせると強い。
それぞれ映像化を成功させる監督の技術もなかなか。

それぞれの運命が切ない。

洋画ではよく扱われる刑務所がメインの物語。
刑務所の様子を描きながら、登場人物の魅力も出しつつ、アンディとレッドの運命を分かりやすく描いている。
アンディに思いを馳せるレッドの語り口で進む。

アンディが自身の経験や知識を駆使し、刑務所での居場所を作ったり、少し環境が改善される様子が観ていて面白い。
アンディの罪についてでテーマを縛りすぎず、他の囚人たちとの交流も描いているからかずっと飽きずに観られる。

主人公はアンディに見えてレッドだったような。

アンディとレッドの友情はリアリティがあって実話のように思えてくる。
相性がいいってこういうこと。

ティム・ロビンス演じるアンディ。
無実の罪で終身刑となった男。一見変わり者のように思えたが頭のいい人物だった。
様々な物事、面倒事に対して本気なのがかっこよく見えた。

モーガン・フリーマン演じるレッド。
モーガン・フリーマンの安心安定さ。いるだけで彼に任せれば大丈夫だろうという安心感が得られる。

“希望”の物語。



⚪以下ネタバレ



ブルックスとトミーは原作と比べると可哀想な終わり方。映画の方が心には響くかも。
でも育てた鳥は原作では刑務所内で死んだことになっているそう。
レッドがアンディを美しい鳥に例えたシーンが好き。

仮釈放は嬉しいように思えるが、何十年も刑務所にいた人間にとって外は怯える場所にしかならないのか。

ロックハンマー。
石の収集が趣味というところでは終わらず脱出するためのトンネルを掘る道具に。レッドは何百年もかかると思っていたがアンディは数十年で。
聖書にしまっていたのがわかるシーンが良く、所長の「救いはこの中に」という言葉がリンクされて活かされている。

レコードは「フィガロの結婚」。
所長が来た時にレコードを止めるのかと思いきや音量をあげるアンディたまらん。

仮釈放後のレッドがブルックスと同じ運命を辿るのかと見せかけ、アンディの約束が気にかかりその場所へと。
拳銃から方位磁石にカメラが映るのが良き。
ラストはレッドがジワタネホへ。そこへ向かうシーンで終わりかと思いきや、しっかりアンディに会うシーンがあるのが意外な終わり方。会うシーンがなくても名作であると思う。

⚪以下ストーリー(Wikipediaから引用)
1947年、メイン州ポートランド。若くして銀行副頭取を務める優秀な銀行員アンドリュー・デュフレーン (アンディ)は、妻とその愛人を射殺した罪に問われる。無実を訴えるも終身刑の判決が下り、劣悪なショーシャンク刑務所への服役が決まる。ショーシャンクでは、長年服役する「調達屋」ことエリス・ボイド・レディング(レッド)が、もう何度目かとなる仮釈放の審査を受け、更生したことを訴えるがやはり却下される。レッドが落胆し部屋を出ると、アンディを含む新しい受刑者達が護送されて来る。アンディら新入り達はノートン所長とハドリー主任刑務官から脅しを含めたショーシャンク刑務所の紹介をされ、その晩に取り乱した一人の新人受刑者がハドリーから過剰暴力を受けて死んでしまう。

孤立していたアンディはやがてレッドに声をかけ、鉱物採集の趣味のため小さなロックハンマーを注文する。それをきっかけにアンディはレッドと交友を重ね始める。他方、アンディは荒くれ者のボグズとその一味に性行為を強要され、抵抗のため常に生傷が絶えない生活が続いた。

1949年、アンディは屋根の修理作業中、ハドリーの遺産相続問題を知り、財務経理の知識を駆使し作業仲間達へのビールと引き換えに解決策を提案する。ビールを手に入れ仲間達から尊敬される一方で、ハドリーら刑務官からも一目置かれるようになる。その後ボグズらがアンディを襲って全治1ヶ月の重傷を負わせるも、彼はハドリーに半殺しにされ、以後、アンディを襲う者はいなくなる。アンディが治療を終え自分の房に戻ってくると、レッドに注文していたリタ・ヘイワースの大判ポスターが退院祝いとして置かれていた。

やがて、アンディは図書係に配置換えとなり、もう50年も服役している老囚人ブルックスの助手となる。だが、その本当の目的は所長や刑務官達の税務処理や資産運用をアンディに行わせるためだった。アンディは有能な銀行家としての手腕を発揮する一方で、名ばかりだった図書係としても精力的に活動を始め、州議会に図書館予算の請求を毎週送るようになる。

1954年、ブルックスに仮釈放の許可が下りるが、50年服役した老人は塀の外の生活への恐れから取り乱す。アンディらに説得され、仮釈放を受け入れるが、結局、外の生活に馴染むことはできず、最期は首を吊って死んでしまう。死の間際に送られた感謝の手紙を読んでアンディとレッドは苛まれる。一方、手紙に根負けした州議会はわずかばかりの寄付金と古書をショーシャンク刑務所に送ってくる。アンディは送られてきた荷物の中に『フィガロの結婚』(第3幕『手紙の二重唱』)のレコードを見つけ、それを勝手に所内放送で流したことで懲罰房送りとなる。その後、仲間達からレコードを流した理由を尋ねられ、アンディは「音楽と希望は誰にも奪えないものだ」と説明するが、レッドは「そんなもの(希望)は塀の中じゃ危険だ」と反論する。

1963年、アンディが州議会にさらに手紙を送り続けた結果、年度毎の予算まで獲得し、倉庫同然だった図書館は囚人達の娯楽と教養を得る場となっていた。その頃所長は、囚人達の社会更生を図るという名目で、彼らを労働力として野外作業をさせ始め、裏ではそのピンハネや土建業者達からの賄賂を受け取り始める。そしてアンディは「ランドール・スティーブンス」という架空の人物を作り出し、その多額の不正蓄財を見事に隠蔽していた。

1965年、新たに入所したコソ泥の青年トミーは、すぐにレッドの仲間達と打ち解け、アンディも彼を気に入る。更生を望むトミーにアンディは文字の読み書きから勉強を教え始め、やがて高校卒業資格を申請するにまで至る。トミーはアンディの過去を知ると、その真犯人に心当たりがあることを話す。アンディは所長に再審請求したいと頼み込むが、優秀な経理担当者であると同時に不正蓄財を知っている彼を自由にさせる気のない所長は、アンディを懲罰房に入れ考えを改めるよう迫る。1ヶ月経っても折れないアンディに業を煮やした所長は、冤罪証明の鍵を握るトミーを脱走を企てたとして射殺してしまう。

トミーの死から1ヶ月後、アンディは再び不正経理を行うことを条件に懲罰房から出される。しかし、アンディの様子はどこかおかしく、メキシコのジワタネホ(英語版)の話をしたり、レッドに要領を得ない伝言を残す。レッドら仲間達はアンディが自殺を考えていると疑い、嵐の晩に心配が募る。

翌朝の点呼の際、アンディが房から消えていることが発覚する。所長やハドリーもアンディの房に向かい、リタ・ヘイワースからマリリン・モンローへ、そしてラクエル・ウェルチへと代替わりしていたポスターの裏の壁に大穴が開いていることを見つけ出す。アンディは約20年間ロックハンマーで壁を掘り続け、ついに1966年、脱獄したのだった。アンディはその足で銀行に向かいスティーブンスに成りすまして所長の不正蓄財を引き出すと同時に告発状を新聞社へ送り、難なくメキシコへ逃亡する。そしてアンディの告発状によってハドリーは逮捕され、所長は拳銃自殺する。

間もなくレッドは服役40年目にしてようやく仮釈放されるが、ブルックスと同様に外の生活に順応できない。ブルックスと同じ悲劇への道を辿りかけるが、レッドはアンディの伝言を信じてメキシコのジワタネホへ向かう。そして、美しく青い海の浜で悠々自適の生活を送るアンディと再会し、喜びの抱擁を交わしたのだった。

⚪鑑賞
金曜ロードショーで鑑賞。
鍋レモン

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