ほーりー

ショーシャンクの空にのほーりーのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
3.7
スティーヴン・キング原作 「刑務所のリタ・ヘイワース」 の映画化で、賞には縁がなかったものの、映画サイト IMDb のランキングでも不動の 1 位に輝くヒューマンドラマの名作。

この映画が多くの人に好感を持って受け入れられたのは、閉塞した状況を打ち破るような解放感を与えてくれる作品だったからだと思う。

劇中、印象的かつ感動的な場面がいくつも登場する。
 
アンディが刑務官と交渉して、囚人仲間が夕焼け空の中、屋上でご褒美のビールを飲むシーン(本当にみんな美味そうに飲んでました)。
 
アンディが「フィガロの結婚」のレコードを放送し、囚人たちが歌声に聞きほれてその場に立ち尽くすシーン。
 
そして、クライマックスの雷雨の中、アンディが雨に打たれながら、天を仰ぐシーン。
 
これらは、いずれもショーシャンク刑務所の空の下の出来事。いずれの場面も抑圧されたものを吹っ飛ばしてくれるような清々しさを感じさせられる。
 
そして映画の最後の場面はさらにその極地をいくような光景だった。いずれのシーンも映画のラストとして使ってもいいような美しい場面で、これが一本の映画でいくつも登場するということが凄い。
 
そしてこの映画から教訓めいたことを見出すとするならば、「人生は、その日その日の居場所探しの旅」といったところ。
 
無実の罪で刑務所に服役しながらも、アンディは常に自分の居場所を自分で確保していく。

その反面、釈放されたものの外の世界に自分の居場所を見つけることができず、絶望のなか自ら命を絶つ囚人もまたいる。

なかなか、自分の希望通りの場所で働いたり生活したりすることって難しい。みんなどっかしら不満を抱きながら今の境遇に我慢している人がほとんどだと思う。

でも、そんな場所でも自分の経験やスキルが活きないか考えて居場所を確保することが生きる上において大事なことだと、この映画を観るとふとそういう思いになる。

さらに言えば、現状に甘んじながらも、希望の場所に移り住むための準備や努力はコツコツ毎日続けること、これもまたアンディの生き方から学べる教訓のように感じた。
ほーりー

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