いぬ

ショーシャンクの空にのいぬのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
5.0
私も時々、自分はものすごく狭い範囲でしか生きることができていないという事実が恐ろしく、同時に安心することがある。

都合上、色々な土地へ飛ぶことがあるが最終的な私の居場所はどこだろうか。
私が安心できる場所とは何処なのだろうか。

そもそも自由とは何か。

レッドは獄中、外の世界で生きるのは無理だと言っていたし、実際40年もの間あの狭い檻の中で暮らしていたら檻の中が自分の居場所となるに決まっている。
外で自由に生きていても40年も住み続けていたら、そこから離れ難くなるものだ。

しかしそれは、"場所"の話であって、"居場所"ではない。

レッドは、「どこか安心する場所に行きたい」と言っていた。
誰かに必要とされることで、その必要とする人の隣こそが居場所となるのだ。

ラストの、恐ろしい程に広大な記憶のない海の透き通る青が、再会を果たした架空の幽霊達の白いシャツに反射していたのがこの映画で最も美しいと思ったシーンだった。

必死に生きるか、必死に死ぬか。
ただ生きているだけの私には、かなり心にきた作品です。
いぬ

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