April01

007/消されたライセンスのApril01のレビュー・感想・評価

007/消されたライセンス(1989年製作の映画)
3.7
前作のティモシー・ダルトンが自分好みだっただけに、本来の任務を外れてアメリカンなバディものとなった脚本が残念とは感じる。けれど序盤から過去の哀しい結婚を思い起こさせるような会話があることや、復讐という暗く重い動機による行動と、それが他国エージェントの任務に支障を来たすことに苦悩しながらもやり抜くという私情を貫く一面が見られる点が異色であり魅力にもなっている。ダルトンボンドをもっと観たかった!今作で降板は本当に残念。

単独行動に至る決断についてのMとのやり取りは見ごたえあるし、ボンドを陰ながらサポートせずにいられないマネーペニー、そして何と言ってもQ!そこまでやるのかっていう涙ぐましい甲斐性が見えてほんとボンドが好きなんだね!というのが伝わってくる人情ものにもなっている。
帰れと言われてしょんぼりとぼとぼ歩くQ、やること指示されてイキイキしてるQ、掃除の爺さんに化けて箒につけたマイクで報告、終わったら箒ポイ、このQという人物もこの任務がなかったら一体どういう人生を送ることやらなどと想像してしまう変わり者なんだよね、と思いつつ、ガールとの間に立ってボンドの任務だから他の女を利用するのも仕方ないと慰めたり、なんか優しいし変なコミュ力発揮してるのが面白い。

そしてどうしても言わずにいられないこと!デルトロの若さと輝きよ!
序盤のバーの乱闘シーンでもうクラクラくる感じ。これは出世するよねっていう。野獣のようにギラギラした目と細くしなやかな体つき!

ハラハラする乗り物アクションも健在で、ついに水上スキー登場!と思ったし、トレーラーの片輪走行とか前輪浮かせるウィリー走行に至っては、ワイスピか!と思いながら楽しめる。

特に印象に残るのは解任手続きの場面、Mの権限の絶大さを感じる。
ライセンス取り消し、武器返却、守秘義務リマインドの3点セットは口頭で即効。
場所はヘミングウェイ記念館-
I guess it’s a 'farewell to arms'
「武器よさらば」だな

ホテルの部屋でボランジェRDを1ケース頼んだ瞬間にピクリ、そういう単位で?どんだけ飲むの~🥂


語録

Why don't you wait until you are asked?
So why don't you ask me?

中盤ではボンド→女、最後は女→ボンドで同じセリフを使うのが粋で大人の会話って感じ。
April01

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