爆破されてしまう船を降りようとしない1900。
88鍵のピアノの中で想像の世界を楽しむ1900。
彼にとって地上の世界は無限だからこそ息苦しいと感じたのかと思うと、一歩も船から降りたことがないのにこんなにも世の中のことを悟っているのに驚いた。資本主義と便利を追求していく現代にあって示唆的な映画でした。
シンプルに名シーンと言える映像もすっごい良かった。
激情的なピアノ演奏の後に熱くなったピアノ線でタバコに火をつけるシーン。
窓越しに恋をして音楽に愛が溢れるシーン。
どちらもドラマティックで監督の表現の幅本当凄い。
こうした回想の物語を担うトランペット吹きと楽器屋のおじいちゃんが話すシーン。
「誰かに話したい物語があって、それを聴いてくれる人がいる限り、人生は捨てたもんじゃない」
哲学と映像美が重層的な物語になった映画。
ピアノが踊ってる。