アンタレス

海の上のピアニストのアンタレスのレビュー・感想・評価

海の上のピアニスト(1998年製作の映画)
4.4
WWⅡの終戦直後、楽器屋に訪れたマックス・トゥーニー(プルイット・テイラー・ヴィンス)。目的は、愛用のトランペットを売るためだ。しかし、愛着が拭いきれなかったのだろうマックスは、最後にもう一度だけトランペットを吹かせてほしいと頼み込む。演奏された曲を聴き、店主は気づいた。演奏者不詳のレコードに刻まれたピアノ曲と同じ曲だと。店主はマックスに詳細を訪ね、マックスは「1900(ナインティーンハンドレット)」と呼ばれた男の生涯を語るのだった。

何よりも洗練された脚本と、エンディングが素晴らしい。ティム・ロスの鬼気迫る演技や、秀逸な音楽もさることながら、この脚本だけで観る価値は十分だ。

1900とマックス、二人の友情はとても美しい。狭い世界で一生を過ごしながらも、激しく生きたその姿を見ていると、不思議と自分の人生も変えてくれそうだと思えてくる。1900のように細やかな希望を持っていれば。
「何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない」
天国のピアノを使い右腕2本で、いい演奏をしてほしいと、切に願う。
アンタレス

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