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海の上のピアニストのxiのレビュー・感想・評価

海の上のピアニスト(1999年製作の映画)
4.0

昔この映画を観て、共感とその恐怖に号泣した記憶があります。

1900年、豪華客船の中で捨てられていた子供が船のなかでピアニストとなりその生涯を船上で過ごしたという男の話。

いつか船から降りることを望まれた時に、海の上でしか生きたことがなかった1900は降りることへのメリットを見つけられなかった。
よく言えば自分を貫いたのかもしれないし、悪く言えば臆病だったのだと思います。
このストーリーは美談として成り立っているのかもしれないけど、昔観た私にはそうじゃなかった。
100の共感ができてしまった自分を情けなく思って泣いた気がします。
同時にこんな映画があったこと、こんなセリフが存在していたこと、この映画が名作としてしられていること、その全てに私だけではないと言われているような気がして安心した記憶があります。

1900がマックスに語ったあのシーンは生きていくなかで成長するとともに誰しもがぶつかってしまう逃れようのない迷いや感情だったのだと思います。
もうそこにある孤独か、まだであったことのない孤独を選ぶなら後者であるようにいつかは船を降りれる自分でありたいとおもう。
だけど、1900にも寄り添いたいと思ってしまう。魅力的な人だと思います。

なんの音楽知識もありませんが、それでもわかる素晴らしいピアノ演奏、目で語られる演技、人の弱さと優しさ。
その人が持つ罪悪感はみる場所や見る人によって最大級の優しさになるのかもしれない。
間違いなく自分が10代の時に出逢えた名作映画のひとつです。