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海の上のピアニストのtakのレビュー・感想・評価

海の上のピアニスト(1998年製作の映画)
4.5
ティム・ロスの指だけでなく、映像そのものが音楽とリンクするときの快感!これを味わえた映画ってなかなかない。船の上で生まれて育った音楽家が作る曲。誰の影響も受けてない作風を、エンニオ・モリコーネが見事に表現している。音楽あっての映画。

ステンドグラス越しのボールルーム、
窓の外のヒロイン、
鍵盤を走る指、
「アメリカ~!」と叫ぶ移民たち。
ひとつひとつが感動へ導いてくれた。

また、この映画を「嘘くさい」とか「現実離れ」と片づけるなかれ。主人公の人生は、世の中で謙虚に生きている人たちの姿でもあるし、こんなおとぎ話が存在したっていいじゃないか。2時間の夢を与えてくれる映画なんだもの。

「いい物語があって、それを語る相手がいるうちは人生捨てたもんじゃない」
この台詞にはグッときた。

日頃おすぎ氏の評を信用しない僕だけど、「淀川長治先生に観せたい!」と言っていたのが、この映画に関してだけはすごくわかる。

ラストのロジャー・ウォーターズの主題歌でまた涙。
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