レッドキング

フィッシャー・キングのレッドキングのレビュー・感想・評価

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)
3.8
過激な発言で人気のラジオDJ・ジャックは、彼の不用意な発言に煽られた男が銃乱射事件を起こしたことでドン底へ落ちる。
ある日、ジャックがホームレス狩りに遭っているところを浮浪者のパリーに助けられる。
パリーは精神を病んでおり、意味不明な言葉や妄想を繰り返すが
それは3年前の銃乱射事件で妻が亡くなったことが原因だと分かる。
ジャックは罪の意識から、パリーを救うことで贖罪を果たそうと奔走する。

設定だけ聞くとかなり重たい内容なんですが、不思議と重さを感じさせず
けっこう笑うところも多いです。
ロビン・ウィリアムズ演じる陽気で、どこか哀愁漂うパリーがとても愛おしい。
パリーが恋する女性・リディアとのデートシーンも最高に笑えます。

タイトルの「フィッシャー・キング」とは中世ヨーロッパの聖杯伝説に登場する漁夫王のこと。
漁夫王が病に倒れたことで国も荒れ果てていくが、主人公の騎士が傷を癒す聖杯を見つけ出すことで
漁夫王と国が再び蘇る物語。
まさに心を病んだパリーが「漁夫王」で、パリーを救い出す「騎士」こそがジャックになぞらえられて物語が進んでいきます。

ジャックやパリーだけでなく、ジャックを献身的に支えるのに愛情を示されずモヤモヤするアン。
過去のトラウマから恋に踏み出せないリディア。
登場人物は皆傷ついているんですが、側にいる誰かしらが救ってくれる。
登場人物が互いに漁夫王であり、騎士の関係になっていると感じた。
傷ついた時に、側にいてくれる人の存在が救いになることを教えてくれます。

ジャックが中々利己的なキャラなので、結構途中までイライラしますが(笑)
レッドキング

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