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フィッシャー・キングのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)
4.0
The Fisher King:テリー・ギリアム監督、リチャード・ラグラヴェネーズ脚本、ロビン・ウィリアムズ、ジェフ・ブリッジス、マーセデス・ルール出演、ジョージ・フェントン音楽、ロジャー・プラット撮影、1991年作品。

けっこう好きな作品だ!テリー・ギリアム監督はこの作品で初めて脚本の執筆に携わらず監督のみを務めたらしく、リチャード・ラグラヴェネーズの脚本の内容を遵守し、映画は脚本通りに制作されているらしい。しかし通行人たちが突然社交ダンスを始める幻想的なシーンのみは、自身のアイディアであると語っているのだそう。このシーンはギリアム監督らしいし、ギリアム作品の中でもメッチャ好きなシーンの一つだ(笑)

作品全体は浮浪者パリー(ロビン・ウィリアムズ)が大きく鍵を握っていて、現実のニューヨークの舞台とファンタジックな世界を行き来する物語になっている。現実と幻想の行き来と言うとギリアム監督の得意とする分野だが、むしろ主演2人のパリー(ロビン・ウィリアムズ)とジャック(ジェフ・ブリッジス)の個性を存分に活かした演出で、惹きこみ楽しませてくれていると思う。またジャックの恋人のアン(マーセデス・ルール)の助演も良くて現実的なヒューマンドラマの核にもなっていると思う。役柄とは言え素敵な女性パートナーで魅力的だったと思う(笑)

パリーの語る「聖杯と漁夫王(フィッシャー・キング)の伝説」によるファンタジーと、現代のリアリティのあるニューヨーク郊外の切り取りとのバランスが良く快適な物語だったと思う。挿入歌「ニューヨークの6月が好き:ハウアバウトユー」も印象的だ。

好きなギリアム作品。また観たいと思う。
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