中庭

雨のなかの女の中庭のレビュー・感想・評価

雨のなかの女(1969年製作の映画)
4.0
はじめから撹乱された女性像を担わされた主人公が、投げやりに抱こうとした男の性年齢が未熟だったことにより、いっそう自己イメージを混乱させられてしまうという凄まじい映画。
鏡を使った未遂のベッドシーンの長回しで移ろいゆく女のセクシュアルな態度と、相反して棒のように振る舞う男のやり取りが気まずい笑いをうながす。
人間に管理された動物を逃がすというモチーフは『ランブルフィッシュ』でも繰り返される。
物語の閉ざし方があまりに唐突であるのに、見終えた後は不思議と奥ゆかしさを覚える。現代アメリカ映画を代表するロードムービーの傑作の一つと紹介されてもおかしくない。
『ワン・フロム・ザ・ハート』といい『ペギー・スーの結婚』といい、コッポラは女性の納得する女性映画を撮ることに長けている。
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