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パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉のTEPPEIのレビュー・感想・評価

1.3
シリーズ最新作「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」の新トレーラーがお疲労目されて、一見の印象としてはだいぶ変わり映えしたような最新作だった。「コン・ティキ」の監督コンビだが、良くも悪くもジョー・ライトの二の舞の臭いも…とりあえず観に行くのでその前に前作をレビューしたいと思う。
まず、今作「生命の泉」は準主役であったオーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ不在でジャック・スパロウにこれでもかとスポットを当てる作品かと思えばそうでもない映画。第1作の大ヒットは「奇跡」とまで謳われ、海賊映画の低迷説を打破したが割とズルズルと作ってよくわかんねぇ3作目まで出来てしまった。結構後に引けないシリーズになり、高額ギャラのジョニー・デップで新たな船出だと意気込んで最新の3Dと監督交代とまあ暗雲だった新シリーズは結果、面白くなかった。公開当時は震災の年で、このブロックバスターの人気ぶりは人々を熱狂させたぶん誰もが「違和感」を抱いた。パイレーツシリーズ3作に共通していた「アクション」がチャンバラになっている点。これは確実に戦犯ロブ・マーシャルがアクションはミュージカルに似てるという訳わからない視点で撮ってしまい、かえって見にくいし、動きもなんかぎこちないアクションになってしまっている。もう一点は生命の泉を探す冒険にしても、いまいち黒ひげという悪役サイドに魅力を感じない。ゾンビとか人魚とかどんどんテイストが違ってきたり、バルボッサのいらない設定や、1番の問題は全く「海賊らしさ」がないこと。ストーリーの半分以上、陸を渡るだけ。なんかもう人の話を聞かない人達がずっと中身のない話をしてて、いくらベテランのキャストが集まっても活劇とは程遠い退屈感が襲う。冒険というロマンなのか、海を股にかける奴らの活躍か、はたまたジャック・スパロウが目指した生命の泉を巡る結末は〜と色んな要素があって楽しそうな反面、ロブ・マーシャルのこれじゃない演出が連発する。黒ひげの魔力なんてそっちのけで進んでいくストーリーは正直…テンポ悪い。
評価できる点としては音楽やロンドンのシーン。ちなみにこの映画に使用された船は「マスター・アンド・コマンダー」からの使い回しなのでかなり節約モードで製作されているのがすごくわかる。
総評としてジョニーに製作費のほぼ4分の1を吸収された新たな船出は、イマイチな演出と試みのない脚本で埋まってしまい勿体無い印象を受けた。1作目との最大の違いは活劇に対して動きがあるかどうか。そういう点ではやはり「生命の泉」はうまく機能していない。
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