まだ15歳のリアムの夢は、まもなく出所する母と暮らすこと。
そのためにとった金策はいとも簡単に彼を闇社会へ誘う。
ケン・ローチ監督はスコットランドの社会問題・貧困の渦中にある若者の姿をまるでドキュメンタリーのように淡々と描く。
なぜ彼の夢は優しさは踏み躙られなくてはならなかったのか。
なぜ普通になるために普通ではないことをしなくてはいけなかったのか。
とても心がヒリヒリした。人生って不公平だ。
でも泣いたら負けだ、とつい私まで堪えてしまった。
虚無感と絶望の海に細く細く差していた光が、どうかこれからも彼を見失いませんように。
そして16歳。
もう一度綺麗な星を見上げることはきっとできるはず。
229/2017