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エンジェル ウォーズの8bitのレビュー・感想・評価

エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)
5.0
2011年4月のある日。
15周年を迎えた「コナン」目当てのお客でごった返すシネコン。
ロビーにはそのコナンがいて子供たちと写真を撮っている。
そんな光景を尻目に灰原萌えの俺は「コナン」とさんざん迷った挙句、こっちを選んでしまった。
セーラー服を着込み、日本刀やマシンガンを手にした美少女たちの誘惑にはどうしても抗えなかったのだ。
満席であろう「コナン」に対し、こっちはガラガラ。半分も埋まってないじゃないか。
男どもが8割を占め、カップルなんていやしない。
土曜日の午前中からこんなのを観るのは
「身体は大人、頭脳は子供」という逆コナンな奴しかいない。

しかしこの映画、そんな逆コナンな人間にとっては120%満足できる大傑作ではなかろうか。
ベッソンが「フィフス・エレメント」を、タランティーノが「キル・ビル」を作ったように、
ヒット作を経て、自由に映画を作ることを許された監督がそれを利用して思いっきり自分の趣味に突っ走った映画を作ったりすることがあるんだけど、この映画もまさにそれ。

ビジュアル面とは裏腹に、カッコーの巣がありそうな精神病棟を舞台とした重々しいストーリーは衝撃。
こんな話だったとは…!
結果、本国アメリカでも惨憺たる評判。

でも俺はこういう映画こそ大好き。
「300」や「ウォッチメン」などの実績からザックを信頼して大金を出したであろうプロデューサーやスタジオへの文字通りの"SuckerPunch(不意打ち)"に拍手喝采。
美少女と鎧武者とゾンビとロボットと戦闘機とドラゴンが全部出てくる映画なんて他にあるか??
好きなものを片っぱしから詰め込んで、自分の夢や願望を臆面もなく映画にしちゃえるこの監督を俺は大いに信用する!
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