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ノウイングのTEPPEIのレビュー・感想・評価

ノウイング(2009年製作の映画)
1.6
我らがニコラス・ケイジがあと3、4年で俳優業を引退するかもしれないので何となく彼のキャリアが下落していったであろう時代を遡ると2008年から始まる。「ダークナイト」旋風が凄かったアメリカで秋季にパッとしない「バンコック・デンジャラス」が稀に見る低いオープニング週末興収で1位を獲得という、めでたいようで残念な事になり二週目では7ランクダウンというある意味酷評というネガティヴ・キャンペーンの強さを証明した。その作品を筆頭に「ナショナル・トレジャー」以降ヒット作に恵まれない彼の迷走を体現したかの如く印象に残っているのは本作「ノウイング」である。
ディザスタームービーながら中型予算の本作はそれに見合ったスリラー要素やサスペンスを楽しませる設定を盛り込んだにも関わらずチートとも取れる後半に仕上げた悪評が目立つ映画になってしまった。

中型予算にも関わらず視覚効果も素晴らしく、リアルなディザスター的演出は凄く、それに並行したストーリーも見応えがあった。前半は。不可解な数字で埋められた一枚の紙。その数字は過去50年とこれから起こる未来を予言したものであったという掴みは興味深く、ニコラス・ケイジ演じる物理学教授が数字を調べたり、途中で挟まれるスリラー要素は面白みがあるっちゃあるが盛り上がらない。
原理主義者なんか本作見たらブチギレるんではないかと思うぐらい怖いもの知らずのオチはある意味褒められたものだが、そこまで積み上げた映画の雰囲気は完全に崩壊したと見ていい。
ディザスター描写も2、3ぐらいで印象に残るものも無ければ、かと言ってキャラクターもそそらないのが非常に残念だった。
ただひたすらニコラス・ケイジは頑張っていた。とにかく彼は車貧乏、屋敷貧乏、全体的に浪費家で滞納万歳なので惜しまず何でも出演しているのもあるが、この「ノウイング」を筆頭にニコラス・ケイジは何をしてもニコラス・ケイジになったのかもしれない。
個人的に揺るがないアクション映画「ダイ・ハード」「スピード」そしてニコラス主演の「フェイス/オフ」。それ以外にも彼の痺れる演技を堪能する作品が多いのも確か。でも本作はそれを失くす事も出来るぐらいガッカリ展開が待ち受けている。色んな思想でもぶち込んでしまった感じだ。

総評として「ノウイング」は知的に見えてそうじゃないSF映画だった。
それにしてもニコラス・ケイジは「エクスペンダブルズ」にいつ出てくれるかな。
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