Mariko

バルトの楽園(がくえん)のMarikoのレビュー・感想・評価

バルトの楽園(がくえん)(2006年製作の映画)
2.8
『5%の奇跡』の主役だったコスティア・ウルマンくんが出ている邦画が
アマプラにあったので観てみた...んだけど
前半は悪くなかったのに、最後まで観てみたら
ものすごくぼんやりした映画だった。

誰が主人公なのかわからない
いや、、まあわかるんだけど(笑)
ある出来事を表現するのに特定の人物に焦点を当てることなく群像を描く、
は嫌いじゃない私が目が点になる迷走っぷり。
どの人のエピソードも人が唐突に出てきたり、いなくなったり。
特に阿部寛演じる将校、なんだったんだろう。
最初の方で結構主人公(と思われる)所長に強硬に異論を唱えるのに、
和解も離反もせずなんとなくぼんやりほぼフェードアウト。
青いカラコン以外は完璧に日本人の女の子のくだりも半端。

日本で初めて第九を演奏した捕虜収容所、って
とても面白い題材だと思うのに
その話もまったく大事に描かれてなくて、最後に急に始まる感。

しかもエンドロールでこれまた唐突に出てくるカラヤンやら
三越のロビーでやってる第九やら、、
これ何の映画だったっけ?...と
こういう日本で現代頻繁に行われている全ての第九演奏会は
ここから始まった、って言いたいんだろうけど
そもそも「第九感」が希薄なので、全く繋がりを感じられない。

そしていちばん驚いたのは、
最初っから疑問に思ってたタイトルの「バルト」
なんと!der Bart(髭)だった。わからなさ過ぎる。
そう言われれば劇中で誰か言及してたような気もするけど...
せめてバ伸ばしてよ(笑)

全体の雰囲気は決して悪くなかったし
國村準のドイツ語通訳ぶりは見事だったし
もったいないなあ。
Mariko

Mariko