籠

日本侠花伝の籠のレビュー・感想・評価

日本侠花伝(1973年製作の映画)
4.5
加藤泰特集12本目

5年ぶりで観たが前回の特集で気に入った作品で今回点数が落ちなかったのは今の処これだけの最上位作品で今回もひたすら泣いた。

70年代松竹長尺3作の集大成的仕上がりですべてのローアングルからのワンシーンが凄過ぎる(汽車中 寝床 等)し、雨、雪、汗に加え縛り吊るしまでもが絡み合う。

今迄のヒロインでは出来なかったことをすべて真木洋子に演らせており見事に演っている。

いつもの寵愛さんだけでなく各社から集まった常連問わず名前の覚えられない脇役陣がそれぞれ出番が多く活躍している(武藤章生 遠藤征慈 大村千吉 等)。

曾我廼家明蝶は「車夫遊侠伝 喧嘩辰」にて桜町弘子を奪われてから10年近くを経て真木洋子(ひろこ)と夫婦にしてもらえた。

予定通り浅丘ルリ子で撮られていたら村井博との組合せはなかったし60年代にこれだけのことは無理だっただろうから結果オーライと言えるが姫田真佐久か山崎善弘が組んで誰かが助監督だったら歴史は変わっていたのかもしれない。
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