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ストライキのTSのレビュー・感想・評価

ストライキ(1925年製作の映画)
3.0
【帝政ロシア下の労働者による蜂起】70点
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監督:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
製作国:ソ連
ジャンル:歴史
収録時間:86分
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エイゼンシュテイン最初の長編。同じ年に映画史における屈指の名作『戦艦ポチョムキン』も公開されているようですが、今作がエイゼンシュテイン1作目だそうです。タイトル通り、行きすぎた労働に対して、労働者たちが大規模なストライキを起こすという話です。『戦艦ポチョムキン』もポチョムキン号の乗員が蜂起することにより話が始まりますが、今作は最初から最後までずっと労働者の蜂起なのでテンションが凄まじいです。どちらも帝政ロシア下における暴動なので極めて風刺的に描かれています。

彼はグリフィスと同じくモンタージュ論を確立させた人物であり、今作でもその技法が使用されています。確かに言われてみればそれまでの映画というのは定点的であり、モンタージュの概念はあまりなかったように思えます。僕たちが現代では当たり前と思っている映像技法も、当時からすると画期的だったのでしょう。
強烈なほどのモンタージュが使用されているのがラストの牛の屠殺と労働者の虐殺の交互のシーンでしょう。労働者の虐殺に関しては、主に撃ち殺そうとしている兵士を中心的に描き、牛の屠殺のシーンでは牛が首からモロに切り裂かれているところを描いています。このショットを交互に映すことで、労働者が無惨に殺されているのだということを伝えてくれます。

実際労働時間は途轍もなく、劣悪な環境だったと言えます。一日8時間制を要求するも全く通じず。彼らが必死にボイコットをしているのに、富裕層は邸宅でワインを飲んでいるのが印象的でした。今作やポチョムキンだけを見ても、帝政ロシアの劣悪な環境を垣間見ることが出来ます。

セルゲイ・エイゼンシュテインはそういうことで映画黎明期に活躍した人物の一人なのですが、意外にも作品は数作しか残していません。完走できるかも。。
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