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地獄の黙示録・特別完全版のギルドのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)
4.2
【戦争の狂気、自由な解放】
ベトナム戦争の最中に自分の王国を築いた大佐を暗殺する大尉を描いた戦争映画。

~感想と見どころ~
この映画を一言でまとめるなら「ヤバい」か「規格外」になると思います。
フィリピンの熱帯雨林でフィリピン軍の協力で行った爆撃シーンはどれも凄まじくて、ヤシ林への爆撃や教会を背景にした煙と戦闘機のシーンは一つ一つが白眉と取れるほどインパクトがあって良かったです。

タクシードライバーがベトナム戦争のその後を描いた物語ならば、本作はベトナム戦争の最中で齎した影響を映した物語と言えると思います。素晴らしい戦争映画にある人間の怖さ・醜さを映している…だけでなく、そこからベトナム戦争の上層部への批判、戦争を通じた自由・人間らしさを追求したヒューマンドラマ要素も強いのが良かったです。
3時間半もある作品ながらも前半の米国軍の暴力の屈伏の批評、中盤の男根中心主義、後半のベトナム戦争の批評・人間の自由…とテーマが徐々に移り変わっていくので、長いとは感じなかったかな。
ただ全編通じて印象的かつぶっ飛んだシーンで楽しめたのと前半の謎を追う過程が面白いだけに、後半の大佐との出会いからやや冗長でダレたのが勿体なく感じました。
でも、そのマイナスを補う各シーンのインパクトは凄いし後述するファイナル・カット版も映画館で見たいと思わせる作品でした!

~あとがき~
戦争映画として様々な見どころを持った作品で新鮮味を覚えたきっかけになりました。
「狂気」という言葉が映画だけでなく作り手・監督にも伝播する色んな意味で有名な作品らしくて、それをじっくり見れて良かったです!
少し前にファイナル・カット版が上映されて気になっていたので、営業再開した暁には是非見たいと思います!
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