【ゴダールのお気に入り!インスタ映え映画】
GWはバカンス映画が観たくなる。バカンス映画ならジャック・ロジエにお任せだ!
本作は面白いことにゴダールの『イメージの本』で引用されている作品。ナンパシーンをぐちゃぐちゃに加工し、顔が識別できない使われ方をしています。また、ギョーム・ブラックのバカンス映画『遭難者』は明らかに本作の影響を受けています。
そんな『ブルー・ジーンズ』ですが、ナンパ男の開き直ったかのようなナンパが清々しい作品です。バイクで海岸を疾走、街行く美女を「ねぇねぇ姉ちゃん〜」とナンパします。逃げられても諦めないのが野郎。逆立ちしているマッチョの美女をナンパテイクアウトするのです。そして一夜限りのデートに励む。
ジャック・ロジエのバカンス映画が何故面白いのかと考えてみた際に、バカンスの終わりに感じる切なさを捉えているからだと思う。
バカンスが終わると非日常から日常に戻る。一回性の楽しさにしがみつこうとして胸が締め付けられる。『オルエットの方へ』のパリメトロシーンが最高なのと同様に、本作の夜道をトボトボ歩く野郎にバカンス終焉の素晴らしい切なさを感じた。
とにかくサイコーでした。
ところで、ふと思ったのですが、若大将シリーズって一歩間違えればロジエやロメール系バカンス映画になったよね?