アルタイル

セント・オブ・ウーマン/夢の香りのアルタイルのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

"首の差で"が好きで色々調べていたら、この映画のタンゴのシーンに行き着き、アルパチーノも出ている事だしと興味本意で観てみた。
タイトルからはてっきり恋愛映画かと思っていたが、それは生きる上でのスパイスの名前であった事が中々にくい映画である。観客にも女性の残り香しか感じさせない。

アルパチーノが話す度、動く度に大爆笑。オヤジのユーモアは馬鹿にされがちだけど、頭の回転の早さや反射神経には尊敬の念を抱く。ハッ!!

ところで、あの映画の中には悪人は居たのだろうか?
冒頭から思っていたが、金持ちハイスクールボーイ達はそんなに腐っているとは思えない。
どうしてわざわざ校長に喧嘩を売るなどリスクが高い事をしたのだろう。
イタズラ心だけでは説明がつかないものを感じる。
金でハーバードに入れるなら、貸出禁止の本を借りて徹夜で勉強する事も無いだろうに。
はじめはそういう事を材料にしてチャールズを陥れるのかと思ったが、そういうずるい事はしてこないのが意外だった。
ジョージの親は正直に白状する事を望み、悪友とは縁を切るようにと話したのだろう。ジョージも素直に親の言う事を聞いているように見えるが、迷いがある。
校長も金のニオイと共に違うものも感じる。価値観は違えど、学校の質を保つ事は本当に目指しているのだろうね。校長だから当たり前と言われるけど、犯人がハッキリしているのに全校生徒の前で裁判をするなんて、何かがエスカレートした結果だと思う。
金の力で何でも出来るんでしょ?
相手によっては校長だって危ないんじゃないか?

やっぱり将来有望な人間が集まる名門校なんだな。
皆あえて何かと戦うしんどい道を選んでいるように思えるよ。

アルパチーノが戦友の危機に駆けつけて、困難な道を共に乗り越えたから、きっとあの場に居た人達の未来は明るいのだろう。

一度逃げたり楽したり筋を通さなかったからと言って何だ。
車のスピードが遅くなるほど心が重くなるなら、いつでも戦えばいいと思うね。ハッ!!

逃げたり戦ったり後悔したりタンゴを踊ったりフェラーリかっ飛ばしたり女性の香りにときめいたり、人生は目まぐるしくロマンに満ちているね。
アルタイル

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