セント・オブ・ウーマン/夢の香りの作品情報・感想・評価

「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」に投稿された感想・評価

小一郎

小一郎の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「午前十時の映画祭8」で鑑賞。観終わった直後は大傑作と思ったけれど、時間が経って冷静に考えたら…。

不遇で貧しいけど心の優しい少年が、校長先生の車にイタズラする準備をしていた同級生を目撃。イタズラは成功し激怒した校長先生は、犯人を教えなければ退学だ、でも教えてくれたら名門大学へ推薦入学させてやる、と少年に迫る。

その後、少年はクスリマスで帰郷する際の交通費を稼ぐため、バイトで盲目の退役軍人のオジサンの世話をすることになり、そのオジサンにニューヨーク旅行へ無理矢理連れていかれる。オジサンは心にも傷を負い、人生に悲観し、偏屈で嫌われ者だったが、純粋な少年との交流によって、本来の優しい心を開いていき、人生に光を取り戻す姿にジーンと。

ニューヨーク旅行が終わると、少年は学校で審判の時を迎える。校長先生の憎々しさにフラストレーションがピークに達した頃、満を持してカタルシスがズドーンと。心の中で拍手喝采。スクリーンの中の学生たちと一緒に「イヤー!」と叫びながら立ち上がりたいくらい。2人は強い絆で結ばれたであろうと想像し、いいモン見せてもらったなあ、午前十時の映画祭ありがとう、とか思って気持ち良く映画館を後にした。

でもね、主軸のストーリーの素晴らしさに目を奪われて、鑑賞直後は気にならなかったけれど、細部のリアリティはどうなのよ、との思いがふつふつと。

この映画のハイライトのひとつは、自らの存在価値を否定するまで思いつめたオジサンが少年に自殺を懸命に止めてもらうことで、立ち直る姿にある。

でもね、本気で自殺するつもりならば少年に打ち明けたりはしないでしょ、普通、と思うわけですよ。止められるに決まっているのだから。それをわざわざ言うなんて、心の底では止めてもらいたいと思っているとしか思えない。

だから、本気だったかのような山場のシーンが、自分的辻褄があわず、疑問に思えてくる。

一方、校長先生の車へのイタズラ問題についても腑に落ちないことがいくつか。

(校長先生の車が理事会から買ってもらったもので、それが校長先生の趣味でジャガーだったとしても、車と校長先生に真っ白な液体(ペンキのようにも見えたけど、絵の具かな?)をぶっかけるということは、限度を超えた悪いことであるという分別を少年が持っていることが前提)。

学校での審判のシーンで少年は仲間を裏切らないという価値観のもと目撃証言を拒否し、退学もやむなしという選択をするけれど、金持ちで、いざとなったら少年を切り捨てる同級生たちを、そもそも本気で仲間だと思っているのだろうか。

仮に仲間だと思っていたとしても、明らかな悪事に目をつぶるということを、少年はどう考えているのだろう。校長先生の誘惑に負けたくない、という気持ちはよくわかる。でも自分が犠牲になるくらいの覚悟があるのなら、見たままを語る一方、甘い誘いはきっぱり拒絶するというのが、自らが最も納得できる選択ではなかっただろうか。

それに、あの学校ってどうなのよ。人権を無視したかのような公開審判はほとんどイジメじゃないの。目撃しただけの人がつるし上げられるなんて、他人のことには一切かかわるな、という教育方針なのかしら。真相はほぼ明らかなのに、裁判所みたいな判断をしようとするのも、教育の現場にふさわしくない気がするし、教師たちは、例のオジサンに熱弁を振るわれなければ、わからないのかっつーの。

もっとも、こう思うことはカルチャーギャップのせいかもしれない。先日インド映画『裁き』を見た際に、裁判傍聴を日課としている芸人の阿曽山大噴火さんのトークショーがあり、ハワイで小学生が被告、原告、陪審員、裁判官に分かれて模擬裁判を行う様子を見学した際のエピソードを聞いた。

それによれば、皆が役になりきっているというのはまあ普通としても、有罪を宣言された際、傍聴者が立ち上がって、腕を振り上げながら「ギルティ! ギルティ!」の大合唱だったとのこと。この映画のラストなんて、結果は違うけれど、雰囲気はまんまじゃないですか。裁判上等なお国柄では学校のシーンは普通なのかもしれない。

だんだん何が言いたいのか、自分でも分からなくなってきたので、強引にまとめると…、よくよく考えてみると違和感はあるものの、やっぱり感激しちゃったくらいだから、とてもよくできた楽しい映画だったのではないかと。

グダグダ考えて気づくのは邦題の『夢の香り』。この映画はきっと実現したら良いなあ、という夢をたくさん詰め込んだ物語。オジサンと少年の心の交流、ダメオジサンが言いたいことを言ってくれるスッキリ感、ニューヨークでのタンゴやフェラーリのシーンなど、様々な夢が醸し出す香りにどっぷり身を任せるのが幸せな鑑賞態度のような気が、最後になってしてきました。

●物語(50%×3.5):1.75
・大筋は素晴らしいけど、細部に感じるどうなの感。

●演技、演出(30%×5.0):1.50
・アルパチーノの演技、最高。彼の演技なしにこの感動はなかった感じ。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・名シーンに負けず、音楽も名曲揃いだったみたいだけれど、よく覚えておらず…。
お父さんが一番好きな映画
私も一番好き
Jun

Junの感想・評価

4.2
フーアー!
英語の授業でたまたま観た作品だけど、とても良かった。
気難しい盲目老人がだんだん主人公の青年と打ち解けて仲良くなっていく過程が面白かった。
EILEEN

EILEENの感想・評価

3.8
昔の記憶。盲目の頑固者。
演説はもちろんだが、アルパチーノの一言一言が胸に響く。
タンゴと香水の香りを勉強したくなった。
カイル

カイルの感想・評価

4.4
大好きで3、4回は観ました!その度に泣きました(TT)
あるとき、名門校の苦学生が、アルバイトで全盲の退役軍人の世話をすることになった。二人の旅を通して芽生える年齢を超えた友情や人間愛を丁寧に描いている。
心優しい青年チャーリーの役をクリス・オドネルが実に爽やかに演じている。
気難しくひねくれ者の老人フランクの役を演じるアル・パチーノ。本当は寂しくて愛を欲しているのがひしひし伝わってくる演技が素晴らしい。
タンゴを踊るシーンは感動でぶるっと震えるくらい。間違うことを恐るドナに「タンゴは人生と違って間違わない。足が絡まっても踊り続ければいい」と言うフランク。
そして生きる意味を見失ってしまったフランクに対してチャーリーは「足が絡まっても踊り続けて」と言う。
上手いこと言うな〜チャーリー(≧∇≦)
チャーリーが抱える学校での問題も同時進行しますが、最後のフランクの演説が最高の見せ場です。何度観ても見事なスピーチ!!
チャーリーは女性の香水の匂いを嗅ぎ分ける能力があるのでそこからこのタイトルとなっています。
アカデミー賞取れて良かった\( ˆoˆ )/
maaaaached

maaaaachedの感想・評価

3.7
最後の演説は胸が熱くなった。
チャーリーには責任持って今後も週末にはちょくちょくフランクに会いに行ってあげてほしいと思う。笑

そしてドナ可愛すぎだろ!
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