猫兎ゆら

青い鳥の猫兎ゆらのネタバレレビュー・内容・結末

青い鳥(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 私はこの映画を見て、色々なことを考えさせられた。授業で見たので、私の学校の先生が「目から鱗が落ちる」と言ったが、その通りだった。

 最初のシーンのコンビニが映る場面は途中まで見ると伏線になっており、巧いなと思った。

 青い鳥ボックスを作るようになったり、ベストフレンド運動をするようになったあの事件は凄まじいと感じた。イジメの話は現代の問題提起であり、たくさんある。その中でもこのクラスの学生の空気感や先生たちの隠蔽体質がリアルに伺えたのが凄いと思う。

 吃音の村内先生の

「本気の言葉を本気で聞く」

 というのが、メインの二人の会話のシーンで山場をより一層盛り上げることになったのだろう。村内先生はあまり多くは口にしない。だからこそ一言一言に重みを感じたのだと思った。

 山場の「誰かを嫌いになるのはイジメですか? それとも好き嫌いは自由ですか?」

 の青い鳥ボックスの話で主人公の質問に対し、いい加減な答えをした先生のキャラクターも実際に感じ、リアルさを感じた。そこで、主人公は教室を飛び出し、自分の教室に行き、虐められていた子の机に書かれた文字を消しているところに村内先生が登場する。

 ここから二人の話すシーンで私は号泣してしまった。そこで目から鱗が落ちた。村内先生の

「一からやり直すなんて卑怯だ。責任がある。自分のために忘れるな」

「強くならなくていい。人はみんな弱い。だから本気で頑張れる」

 という二つの言葉だ。嫌なことがあれば忘れたいと思う。一からやり直したいと思う。でもそれは間違っているんだと教えられた。強くなろう強くなろうとしていた私だけど、この言葉を聞き、肩の荷が降りたような、そんな気がした。

 終わり際の

「生きててくれて良かった」

 という生徒の言葉に少し変化を感じた。事態が変わったわけではないけれど、生徒たちの心の変化を伺えたのが良かった。

 ハラハラドキドキしたけれど、心温まるこの映画に出会えたことに感謝!

 そして、感動したいという人にオススメです。
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