このレビューはネタバレを含みます
授業にて鑑賞。
終盤にかかるような情緒的な曲が冒頭から流れて来たので作品の気分についていけないなと感じた。
学校を船に例え、卒業まで平穏に船を導くことを目的とする幹部に違和感を覚えた。卒業は結果的なものであって、それ自体が目的ではないだろう。運営者である前に教育者なのに、個人の成長について頭にないようだ。
「嫌うのもいじめなのか?」という疑問は裏を返せば「いじめとは何なのか?」になる。私は馬鹿に正面から「嫌うこと自体はいじめにはならない」と答える気でいたので、村内先生の回答をきいて反省した。
私は教職を目指しているわけではないが、いつか親になるかもしれない。それに、誰しも人生において教育とは無縁であり得ないだろうと思っている。それで、教育とはどのようにできるだろうと常日頃考えているのだが、村内先生が学校を離れる時に言ったセリフは教師による教育についてかなり核心をついてるように思われた。
教師は聖職と言われるように、教師の言葉は絶対的なものに感じられてしまうことがあるし、教師自身自分の言葉を過信しているところがあると思う。しかし、教師と生徒といえど人と人との交流に過ぎないのだから、時には心に響くこともあれど、響かないことも多いだろう。「運が良ければ何かを伝えることができるかもしれない」というセリフからそのことに気付かされた。