ワンツーとハンサムボブの一連のやりとり、バカなボスをもったために苦労するできすぎアーチーの造形など、ところどころに見どころはあるものの、どこか消化不良な感じが否めないのはなぜか。言い方をかえると、同じガイ・リッチー監督の「スナッチ」と「ジェントルメン」にあって本作にないのは何か。
ともするととっ散らかった印象になりがちなところをギリギリの、まさに奇跡的なバランスですくいあげた「スナッチ」と、たぶん構想はもっと作り込んだうえで、現場のクリエイティビティを臨機応変に、それでいて計算ずくで取り込んだ「ジェントルメン」の、ちょうど真ん中の空白地帯にすっぽり嵌まり込んでしまったような横滑り感。一部のキャラが立ってないってのもありそうだけど、現場のやりすぎ感が希薄に感じられるのと、あとは編集の切れ味なのかなあ。もっとはっちゃけてほしかった。
△2021/09/19 ネトフリ鑑賞。スコア3.5