霜月

ソーシャル・ネットワークの霜月のレビュー・感想・評価

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)
4.0
SNSサイト・Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグを主人公として描いた映画。とても不器用な一人の男が、想いを寄せる女性ともう一度“友達”から関係性を構築し直すために奮闘し、結果として世界を変えてしまうお話。全ての行動で想像力を働かせ、顧客の求める感動を先読みし物凄いスピードで回転する頭脳を駆使してアイディアを構築していく姿は、私のような凡人からすると“天才”であるという言葉でしか言い表すことができなかった。マーケティング的な視点からも学ぶ事が多くある作品であると思った。ジェシー・アイゼンバーグ特有の早口台詞回しと、どこか少年のようなころころした愛らしさがこの作品における“天才”性をより感じさせた。Facebookの発展の過程を回想する場面と、訴訟の現実場面が交互に映されることで、其々の人間的な想いや目まぐるしい速さで天才が産んだFacebookが社会に浸透していく様子に対する凡人の困惑具合が良く伝わってきた。会社の為とはいえ唯一の親友ともいうべき存在を裏切ってしまったと実感した時のマークの表情が忘れられない。天才も、やはり人間なのだと思った。成功の裏で、失うものも多かったのだろう。ラスト訴訟後の流れを説明するテロップの背景で、主人公がすべてのきっかけとなった想い人のFacebookページを開き友達申請の承認をキーボードの更新ボタンを無心にひたすら押しながら待っている姿がとても小さく思えた。
霜月

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