tjZero

ソーシャル・ネットワークのtjZeroのレビュー・感想・評価

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)
4.2
デヴィッド・フィンチャー監督作の特徴は、”クリア”である。

① 画面がクリア
早くからデジタル撮影の可能性を追求してきたフィンチャー作は、近年どんどん画面がクリアになってきている。
隅々までピントがあっており、明暗や色の彩度もクッキリ。
画面の明瞭化の為には、通常使わないような場面でもCGを使って補正。
画面がボケて判りにくかったり、黒くつぶれて不明だったりすることが皆無なので、ひとつの画面内の情報量が豊富。解像度が高い。
普通の映画がハイビジョンだとすれば、フィンチャー作は4Kテレビ並みだと言ってもいい。

② 物語がクリア
①の通り、情報量が多いため、『ドラゴン・タトゥーの女』や『ゴーン・ガール』のようなぶ厚いミステリーの原作を映画化する場合でも、サクサクとストーリーを処理し、わかり易く見せてくれる。
本作においても、SNSについてあまり詳しくない観客でも、理解しやすく充分に楽しめる語り口を持っている。

③ 登場人物との距離がクリア
どのキャラクターにも過剰に寄り添うことなく、一定の距離を置いている。焦点の合った顕微鏡でそれぞれの人物を眺めているようなクールな距離感。
そのためか、フィンチャー作では善悪がはっきりせず、それぞれの登場人物が良い面も悪い面も合わせ持ち、並列に配置されている。
そのフラットというか、グレーな世界観が大人向きであり、深みがあって見応えがある。

…こんな風に、映像でクリアに語り切っちゃう所って、アルフレッド・ヒッチコック監督に通じるモノがあると思う。これからも、”21世紀のヒッチコック”としてスリリングな傑作を送り出してくれることを期待したい。