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ソーシャル・ネットワークのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)
4.3
The Social Network:デヴィッド・フィンチャー監督、ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド主演、アーロン・ソーキン脚本、製作、ケヴィン・スペイシー製作、ジェフ・クローネンウェス撮影、トレント・レズナー、アッティカス・ロス音楽、2010年作品。

SNSサイトのFacebookを創設したマーク・ザッカーバーグらを描いた物語。ベン・メズリックが著した「facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」(原題: The Accidental Billionaires)などを参考にし、事実を基に作られたフィクションとされている。

久しぶりの再鑑賞。この手のサクセスストーリーとして別格に面白いと思う。特に会話は特徴的で、冒頭のマーク・ザッカーバーグと恋人のエリカ・オルブライトの会話はマシンガントークというよりは、もっと早口でクールで、まるでキーボードに文字をタイピングしていくような感覚に近い印象を受ける。全編大半はそのような感覚で会話劇が繰り広げられている。

会話と音楽の関係に深くこだわった作りになっていて、その音量のバランスはどちらも同時に聴かせるように工夫されているらしい。音楽自体がクールで素晴らしく、トレント・レズナーとアッティカス・ロスの音楽は持ち前の電子音を活かしたサウンドで、オーケストラやピアノやエイドリアン・ブリューの弾くギターを効果的に使っている。アンビエントの様なサウンドで、少し切ないメロディが印象的だろうか。エンディングのビートルズの「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」が皮肉っぽく流れた時は、軽く笑えるムードになったと思う。

室内での会話劇が多いが、照明の拘りも強く感じる。かなり暗めに落とされたオレンジ色が印象的で、隙間の多い部屋全体を映して、主人公の心情や孤独さを表しているように思う。暗くても表情がしっかり観える技術の高さも感じることが出来る。

Facebookを創設という題材もいいので、賞を沢山取りまくった作品でもあるけど、賢くてクールな人たちの青春物語なのかも知れない。観どころも多いので、また観たいと思う。
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