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青いパパイヤの香りの10000lyfhのレビュー・感想・評価

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)
2.5
1951年とその 10年後のサイゴンを舞台に、上中流階級一家とその使用人である女性主人公ムイとの関係を描く。基本的に前半と後半で別(主演女優、環境、テーマが異なる)の 2中編からなるオムニバス的な映画。前半の 1951年は、動植物への好奇心の強い無垢な少女が、中流自営業家庭の使用人として、悪ガキのハラスメントにめげず健気に頑張る話。後半の 10年後は、よく言えば、金持ち男性との結婚しか出口のなかった使用人女性のサクセスストーリー、悪く言えば、略奪婚の話。物語としてはどちらもありがちな上に、全体としてもとりとめないが、(制作の 1990年代からの再現であることを認識の上で)戦争前のヴェトナムの都市生活の記録的な意義を持つ作品。カメラワークが素晴らしい。屋外から窓を通して屋内での出来事を描写するドリーショット、画面手前と奥で並行した出来事を描写、長めのショットに複数の人物が出入り、等々(カメラマン、アカデミックなトレーニングを受けた人だろうなと思いながら観てたが、案の定そうだった)。編集では、20歳のムイが水浴びするシーンで効果的なジャンプカット。あと映画撮影のためにアリ殺すのは NG です(本物のアリじゃなかったらごめんなさい
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