がんちゃん

コラテラルのがんちゃんのレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
3.5
平凡な深夜タクシー運転手が偶然にも殺し屋を乗せてしまったことから人生が一変する。男の中の男(マン)、マイケル・マン監督によるコラテラル(巻き込まれ)サスペンス。

ジェイミー・フォックス演じる主人公マックスは「今の仕事は一時的なんだ」とうそぶきながらロクに行動もせず12年が経過し、車のサンシェードに貼られた南の島の写真を眺めては現実逃避する日々。「今は会社立ち上げの準備中」って休憩中に高級車のカタログ眺めてるだけかい!笑
典型的な「俺はまだ本気出してないだけ」野郎だが、映画なんぞ観てる暇人は大抵が同類なはずだ。なぁみんな?

トム・クルーズ演じる殺し屋ヴィンセントも根っからの悪人ではない。劇中で多くは語られないが、おそらく家庭環境のせいで殺し屋以外に選択肢がなかったのではないか。ジャズへの造詣が深いところから、ミュージシャンに憧れていたのかもしれない。
やれるのにやらない男と、やりたくてもやれない男の奇妙な邂逅。二人はある意味似た者同士なのである。同監督の最高傑作『ヒート』に通ずる。

やると決めた男を描いた作品といえば、もう一人の男(マン)ことジェームズ・マンゴールド監督の『コップランド』や『3時10分、決断のとき』もオススメ。
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