アレックス・デ・ラ・イグレシア監督作。
スペインの鬼才中の鬼才:アレックス・デ・ラ・イグレシアの長編デビュー作で、カルトの名をほしいままにした怪作SFです。
美しい人間が権力を握る近未来を舞台に、醜悪な容貌や障害のある者で構成される反逆集団“アクション・ミュタンテ”の面々が引き起こす大事件を描いたSFバイオレンスのカルト作です。監獄から出所した頭領ラモン率いる集団が、大富豪の令嬢を身代金目的で誘拐し、別の惑星に連れ去っていく最中、身代金の取り分を巡って集団が内部崩壊していく様を異様なSF映像世界の中で騒々しく活写していきます。
テリー・ギリアムを彷彿させる猥雑&混沌としたSF映像を背景に、極悪テロ集団が引き起こす一連の犯罪と殺し合いを描いたカルトSFで、結合双生児や時限爆弾男、怪力男等、多彩で個性的な悪党キャラクターの饗宴と苛烈なぐちゃぐちゃのバイオレンス描写で観客を圧倒させますし、辺境惑星の景観や宇宙船内部の造形、多彩なSF的ガジェットにも目を引く近未来狂騒SFバイオレンスです。