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フレディVSジェイソンのarchのレビュー・感想・評価

フレディVSジェイソン(2003年製作の映画)
5.0
一切おふざけなしで大傑作です。私が「ゴジラvsコング」に求めてたものがありました。それは安易なオチに逃げずに決着をつけるという並々ならない覚悟です。
「13日の金曜日」で始まり、Part2で登場、Part3で現在の形となったジェイソン。彼は最初からキャラクターとして確立されて生まれた訳では無かったというまるで今の「ワイルドスピード」のような手探り感の中で成功したキャラクターです。パナマウント製作で一躍人気キャラクターとなったジェイソンに対抗してニューラインが嫉妬の炎を以て作られたのが「エルム街の悪夢」のフレディです。フレディは最初からキャラクターが確立されており、1作目にジェイソンが登場しない「13日の金曜日」と比べて、1作目から完成されているという正反対の特徴を持っています。
そしてジェイソンPart8からニューラインに買収されたジェイソンは今回、ジェイソン11作目フレディ8作目として対決します。
私がここまでその出生について語ったかというと、この作品は完全に正反対の殺人鬼として生まれ、対決を運命づけられた彼らの終着地点であり、この映画の為に全てがあったのだと思わせてくれるからです。
彼らが正反対である点を列挙します。
ジェイソン:
・段々と確立されたキャラ
・同情の余地あるオリジン
・大人に殺された(見放された)子供
・クリスタルレイク湖がホームグラウンド
・物理的な不死
・水が苦手(今回初出)
・無言

フレディ:
・最初から確立されたキャラ
・同情の余地なしのオリジン
・子供を殺す大人
・エルム街(道)がホームグラウンド
・精神的な不死
・炎が苦手(そんな設定だったっけ?)
・めちゃくちゃ喋る

等などの比較されるポイントがあり、その原因はニューラインが意識して作ったことが大いにあります。
このように完全に正反対に生み出され、そしてニューラインからの明らかに対抗意識がある中で生まれた本作は、フレディに軍配を上げても良さそうなものを見事に両者のスタイルを活かして、両シリーズへのリスペクトが感じられます。
1作品の中にそれぞれのオリジンと"恒例の死に様"まで盛り込み、武器のスワッピングだったりの熱い展開が大量に用意されているのも本当に素晴らしい。
彼らに巻き込まれるヒロイン一同もかなりキャラが立っていて申し分ないし、彼らの決着が着いた上で、ヒロイン達が勝つという展開にそのキャラ立ちがしっかり効いていて最高である。

これ以上のフレディーもジェイソンも映画にすることは出来ない。これが最高到達点だと私は思います。
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