シネラー

フレディVSジェイソンのシネラーのレビュー・感想・評価

フレディVSジェイソン(2003年製作の映画)
3.5
スラッシャーホラーの金字塔である、
『13日の金曜日』シリーズと
『エルム街の悪夢』シリーズの
クロスオーバー作品を久しぶりに鑑賞。
個人的に他作品同士の対決映画で、
最も好きかもしれない映画だ。

物語としては、
人々から殺人鬼フレディの存在が
忘れさられたエルム街を舞台に、
殺人鬼ジェイソンが出現し、
両者が若者達を巻き込みながら殺戮と
死闘を繰り広げる内容となっている。
ネタ的なB級ホラーと疑いかねない
内容ではあるが、
しっかりとした脚本の上で成り立っており、
夢の中の殺人鬼フレディと
現実の殺人鬼ジェイソンを見事に
共演させていて飽きる事がなかった。
又、二つのシリーズを知らなくても、
序盤にかけての説明や展開で
それぞれのキャラクターが分かるようになっているので、
その点は不要な心配だと思った。
物語前半はエルム街、
後半はクリスタル・レイクという
殺人鬼それぞれの拠点を行き交う展開
も良かったと思う。
加えて、フレディとジェイソン
の直接対決も夢と現実それぞれで
しっかり繰り広げられており、
痛々しいグロテスク描写がありつつも
どこか笑ってしまうような部分
が感じられて、見易いホラーだと思った。
個人的に初見の時から
ジェイソンが好きであった為に、
終盤の彼の活躍が格好良くて、
よりジェイソンが好きになる部分だった。

しかし、中盤以降がフレディとジェイソンの
対決に重点を置いている分、
ホラー要素が薄まってしまうのは
残念な部分と言えるだろう。
但し、モンスター的な面白味が
感じられる部分ではあったと思う。
加えて、人間側の物語でヒロインが、
自身の母親を殺害したのが父親かもしれない
という疑問を持つ下りがあったが、
あまり必要な要素と思えなかった。

日本の某二大ホラーシリーズの対決作で、
本作が反面教師に捉えられたらしいが、
二人の殺人鬼の特性を上手く活用し、
物語として上手く纏めた対決映画の秀作
だと思った。
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