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ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱のmegurosのレビュー・感想・評価

4.3
清朝末期に実在した武術家であり医師であるウォン・フェイホン(黄飛鴻)を主人公にした”ワンチャイ”シリーズ2作目。本作ではアクション指導にユエン・ウーピン、敵役にドニー・イェンが参加。シリーズ屈指のアクションシーンが拝める。

個人的に好きなのはvs白蓮教団クン大師。ワイヤーアクションが駆使され、地面に落ちないよう椅子や布を使った空中バトルが行われるのだが、武術の天才とワイヤーが混ざると荒唐無稽に凄くなるということがよく分かる。続く提督ドニー・イェンとの決戦は狭所での棒術バトルがvs布棒術へと展開。 2人の動きが凄まじすぎるため、恐らくこの先人類による再現は不可能。圧倒的な過去のアクション遺産として記憶されることだろう。

劇中、下関条約における台湾割譲反対が叫ばれているので舞台設定としては1895年頃であろうか。フェイホンは邪教であり攘夷集団である白蓮教を滅しつつ、法を守らない政府とも戦い、革命を企てる者として政府に追われていた孫文を助ける。ラストは船の上で台湾の国旗が広げられるのだが、香港がああいうことになり、台湾と本土との緊張感も高まる今観るに味わい深いものがある。
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