タケオ

ブレア・ウィッチ・プロジェクトのタケオのレビュー・感想・評価

3.4
ファウンド•フッテージものには『食人族』(80年)や『ありふれた事件』(92年)など先駆け的な作品が数あるが、近年のモキュメンタリー•ブームにおける最大のキッカケとなったのは間違いなく本作である。本作は制作費6万ドルという超がつくほどの低予算映画にも関わらず、世界興収200億円以上という驚異的な成功を収めた。本作の爆発的なヒットは、あたかも作品内の出来事が'実話'であるかのように扱ったウェブサイトやテレビ特番を用いての宣伝の成果も非常に大きいだろう。主人公たちが踏み入る森には過去に悍しい事件が起きたという話こそあるが、作品で次々と巻き起こる超常現象の正体について具体的に説明されるようなことはほとんどない。だからこそ鑑賞者は、パニックに陥る主人公たちと混乱を共有することで、モキュメンタリーの醍醐味ともいえる「まるで本物かのような臨場感」を存分に堪能することができる。正直退屈に感じられるような場面も多々あるが、鑑賞者の好奇心を掴んで離さないクレバーな作品であることは確かだ。
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