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シェルタリング・スカイのkhのレビュー・感想・評価

シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)
4.0
シェルタリング・スカイ。もう満月の見えない空。
陶器のカケラの墓。砂。埃。熱。風。光。月。肌。性。そして声。手拍子。蝿。人間。これぞ映画と思わされる絵。そこからだんだんと言葉が消えていき、次第にプリミティブな要素で埋められていく絵。見ているこちらに生理的に作用してくる。本当に催した目眩と吐気。人間と動物と、その間に窪んだ孤独。愛すれば愛するほど孤独になるのは人間のさだめらしい。最後のシーンの迷い子のような足取りと眼差し、そこに凄まじいリアリティを感じた。
観光客ツーリストと旅行者トラベラーの違いは、前者は帰るが、後者は帰らないこともある。人生は観光か?旅行か?旅上で死ぬならトラベラーか?しかし死を帰還と捉えるなら人生はむしろ観光か?
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