みてべいびー

シェルタリング・スカイのみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

切ない。ある夫婦のあり方。側から見たら円満なのか崩壊してるのかどちらとも言えないような二人の関係も、当人たちにしかわからない距離の取り方があるんだってことを思い知らされる。相手が何してようと気に留めてないようでいて察知していて、でも自分が少なからず傷つくことをわかっているから触れようとはしない。むしろ相手が何しようと自分の元に戻ってくることをお互いわかってるからこそ、ある程度奔放でいられる関係性、素敵だと思った。同時に、相手はいつまでも自分のために存在する、してくれるはずという根拠のない自信がもたらす安心感。誰しもが持つものだけど、その状態が永遠に維持される保証などどこにもないし、案外呆気なく崩れ去っていく何ともないような幸せ。当たり前に思ってはいけないんだよな、でも時間が経つうちにだんだん初々しい気持ちを忘れて倦怠していく人間の性。やっぱ切ない。
John Malkovich演じるPortが亡くなってしまってからは少し中だるみした感じがあったけど、Debra Winger演じるKitのショックにより当てもなく彷徨う様子を映し出すには、やっぱ先の見えない途方のない旅を描くしかなかったのかなと。本が偉大な分、映画にするのは難しい作品なんだろうね。
Debra Wingerがひたすら美しく、衣装もかわいい。赤ベレーにピンクのワンピで自転車乗るシーンが好き。そしてのらりくらりマイペースなMalcovichがいいねぇ〜好きになっちゃいそうで困る。ハエが顔にたかってても平気でニコニコして「おはよ〜」みたいな動じなさがさ、なんだかんだかっこよく見えてしまうのが罪だね。二人がもう落っこちたら即死するような絶景の絶壁でセックスするシーンが圧巻の美しさで大好きだったなぁ、あぁ大恋愛。
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