だいざる

光のほうへのだいざるのレビュー・感想・評価

光のほうへ(2010年製作の映画)
4.0
最初から最後まで息苦しい映画だった。
最後の最後のシーンには救われたものの、それまでの息苦しさ、やるせなさを補えるほどかというと微妙。
こういう重い重いヒューマンドラマを時折無性に観たくなるんですけど、なんでそうなるのか自分でもよくわからない。
観て良かった、知って良かったと思える事が多いからかな。
そう考えるとこの作品は観て良かったと思える作品でした。

親から育児放棄され幼い弟を必死に世話する兄弟。ある日その弟は他界してしまう。幼い弟の死を抱えたまま大人になった兄弟。愛する術も愛される術もわからない2人は人生のどん底を這いつくばる。

同監督の『偽りなき者』では息苦しさ、もどかしさを感じていたものの、この映画ほどではなかった。あれは視聴者側からすれば怒りの矛先があったというか、マッツをあの状況に追い込んだ原因がはっきりとわかっていたからだと思う。
ただ、この映画にはそれがない。
確かに育児放棄した兄弟の母親には問題がある。
でもだからと言って、大人になってからの彼らの言動は全て母親のせいなのかといえば違うと思う。
どんなに親がクズでも真っ当に生きてる人はいるわけだし、それを彼らが犯罪を犯す理由にしてはならない。
そう思うから、彼らの顛末は冷たい言い方になるが自業自得なのかなと思ってしまう。
でもその一方で、親が子に与える影響はとてつもなく大きいものであるとも思うから、クズな親だと子供は道を外してしまうのかなとも思う。
結局どっちつかずの感想になってしまった。

でも一つだけ言えるのは、選んだ道がたとえ悲惨なものだったとしても結局は自分で選んだ道なのだから、誰かのせいとかタイミングのせいとかにしてはいけないと思う。
自分が選んだ道に対して責任を持つ事が大切。

大人になった兄サイドと弟サイドとを時間軸をずらしながら描く技法は目を見張るものがあって、全ての疑問が解決するし収束するラストは邦題にふさわしい素敵なものだった。
ラストは感涙必至。