シオ

光のほうへのシオのレビュー・感想・評価

光のほうへ(2010年製作の映画)
4.5
前半が
ネタバレなので
流し見して
ラインから下の
レビューをどうぞ



__父と子

Martin

小刻みに震える父の手
理由は
わかっていた

誰よりも
愛されていることも
わかっていた


__兄と弟

誰よりも愛されず
なんとか
生きてきた

幼き二人が育て
短き生涯を閉じた命

Martin

幼き二人は
罪を背負い
こころを蝕む

まるで
Submarino

それでも
なんとか
生きてきた


__兄と子

救うにも鉄格子が阻む
最後

弟の骸を前に
兄と子そして弟の紙片が
繋ぎとめる


光のほうへ






__________


冒頭は美しい洗礼のシーンから

幼き二人の暗部から
抜け出せない二人の人生

監督は丁寧に残酷に美しく描く

同監督の「偽りなき者」
が凄く良かったけど
これもイイ

表題は逆さ吊りにして
水責めをするリンチの事を
さすようで
浮き上がっても一瞬で
沈めらることを繰り返す
暗喩なのでしょうか


彼らが自ら
容易に脱却できると
思えるならば
幸せに生きてきた証拠

心に棲みついたものを
払拭できず
差し伸べる手さえも
見えなくなる境遇は
架空のものでもない
ただならぬ現実にも
存在する


先日観た
「いつかの君にもわかること」
と共通する
子供の描き方
俳優の眼差し

また素晴らしい作品に
出会えた
シオ

シオ