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君を忘れない FLY BOYS,FLY!のmhのレビュー・感想・評価

君を忘れない FLY BOYS,FLY!(1995年製作の映画)
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帝国海軍では髪型が比較的自由だったとはいえけっこうなレベルの長髪(キムタク)が主役の特攻もの。
沖縄戦がはじまっているあたりの時系列。各航空隊の問題児ばかり集めた特別攻撃隊という設定なんだけど、メンバーは痩せ型が多くて、問題児っぽく見えない。もっというとみんな同系統のイケメンで誰が誰だか区別がつかない。
どうやら制作者サイドに知恵者がいるようで、当時ではありえないレベルに太ってる松村邦洋がコメディリリーフ役でキャスティングされてる。これは長髪の長髪に集まるヘイトを軽減させるための小細工と思われる。
CGにしか見えない零戦の飛行シーンや、太りすぎてるためみんなで操縦席から引っ張り出すとか、細かいところを気にする勢をあざ笑うかのようなプロットが多く、寛容な心を鍛えるのにうってつけ。
そのいっぽうで、学徒兵と兵学校出身の違いなども話に組み込んである。恩賜の短剣なども出てきて、なんだ、時代考証ミリタリー考証が意外としっかりしてんじゃんと感心させてくるから、知恵者の思うつぼ。
ちゃんと調べて作ってんだなとこの映画に向かいあう姿勢をあらためると、女子挺身隊のみなさんが作る「出撃弁当」なるものが出てきて、なんだそれは初耳だぞとググると、この映画の感想ページいちばん最初にヒットするというオチがつく。
ひとり直掩機を命じられると、特攻にはみんなで行きたいからと一計を案じた隊長は、ピアノが弾ける隊員の手を拳銃で撃ち抜くくだりが頭狂ってて印象深い。
ほかのところ撃ってあげて欲しかった。でもハーモニカは吹けますよねとか、ぜんぜんフォローになってない。
登場人物のほとんどが反戦スタンスで、真面目な戦争ものならリアルじゃなくね?と気になってしまうけど、こんな映画ならまあ別になんでもいいかってなる。
出演者はイケメン揃いで、音楽も軽妙。捨て犬を拾ってくるとか、飲み屋でケンカとか、既視感あるプロットが多いのも特徴。
テレビの改編期特番みたいな映画だった。
mh

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