タイトルが連合艦隊とある様に、主役が個人ではなく海軍の組織そのものだった印象だね。だからドラマよりも歴史の流れを重視した印象がある。
この映画を見ての第一印象は「如何に戦ったか」ではなく「如何に負けたか」を表したってことだったな。
日本が、海軍が、何故負けたかの説明が非常に重視された脚本に感じた。
日独伊三国同盟への苦渋の選択・真珠湾・ミッドウェー海戦・南太平洋海戦・ソロモン諸島戦・レイテ沖海戦・大和沈没と物語が進むが、圧倒的に描写が多いのが、海軍上層部の会議のシーン。
とにかく会議。航空機が主流の時代に古参が大艦巨砲主義にこだわり過ぎ、足並みが揃わない。軍人のメンツが対立する様子がとても皮肉だ。
そして同時期に公開された東映の「大日本帝国」と同じく、市井の軍人家族のメロドラマが挿入される。史実としての戦史とフィクションとしてのドラマの融合は、この2作に共通する作り方だね。
そして円谷特撮の伝統芸が炸裂する。今の目で見るとミニチュアワークスはちょっと辛い部分もあるが、それでも所々にハッとするようなカットがある。爆発ショウちゃんこと中野昭慶の手腕だね。