なんだこの「夏」感は。京都の夏。
細い路地がゆるくうねりながら抜けている。その向こうで子供が花火をしている。それだけでこんなに感動するのか。
『赤線地帯』と同様、登場人物たちの「生業」が強く物語に絡んでくる。芸者・舞妓と、女としての自分自身に折り合いがつけられない苦悩と葛藤。彼女らが客の商談に巻き込まれていくことで物語の層が厚くなる。
姉妹がどちらも魅力的。職業上の義理の姉妹だけど、彼女らはそれ以上に近い。義理だからこそなのか。ミヨハルのミヨエを思う気持ちに泣く。久しぶりに映画で泣いた。
若尾文子もすっごくいいけど、木暮実千代は大大大女優。