ラグナロクの足音

インフォーマント!のラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

インフォーマント!(2009年製作の映画)
3.7
ソダーバーグ流石!w 日本の味の素が絡む世界的な談合に巻き込まれていくアメリカ人のリーマンを巡るブラックコメディ!1992年、マーク・ウィテカーは、大豆やトウモロコシなどの穀物を扱う大企業・ADM社に勤めている。名門大学で博士号を得たマークは、就職後も順調に昇進し、妻子と共に幸せな生活を送っていた。ある日、マークはウイルスによる月700万ドルもの損失の責任を負わされそうになる。自分の立場を守るため、マークは日本企業のある人物からウイルスの件で脅迫されたと重役に話す。その件でFBIが捜査することになる。捜査官のシェパードに、マークはさらなる秘密を打ち明ける。ADM社が世界の多数の企業と違法である価格協定をしていることである。シェパードは驚愕し、その捜査に乗り出すことに。マークは内部告発者として、FBIへの協力を頼まれる。断ると自分も捕まるため、マークはしぶしぶ協力することになる。しかし、その頃会社から昇給を持ち掛けられたマークは、あっさりとFBIへの協力を辞めようとする。ADMが今までのやり方を見直し、不正をやめたのだとシェパードに話すが、その程度の嘘はすぐ見抜かれる。協力を拒否すればマークも犯罪者の一員として被告人になるというと、マークは嘘を認め、再びFBIへ協力するようになる。それから二年半もの間、マークは盗聴に盗撮を繰り返し、FBIへ情報を提供した。ハワイでの取引で国際カルテルの事実の証拠は決定的なものとなり、FBIは強制捜査に踏み切る。マークはこの件で、自分が良い行いをしたと思って完全にヒーロー気取りになる。そして、重役が検挙され席が空いた暁には自分がCEOになれると舞い上がる。しかし、マークはいくつもうかつにミスをしてFBIを困らせる。極秘だと言ったはずの強制捜査はマークの口から洩れていた。さらに重大な問題が起こる。マークは、上司たちもやっていることだからと、自分も他社からキックバックを受け取っていたことを打ち明けるのだった。実は日本企業のスパイの脅迫もマークの嘘で、FBIにカルテルの事実を告発したのは保身のためだった。これにはFBIも困惑する。マークの協力がなければADM社への捜査は成し遂げられなかったわけだが、どう考えてもマークは犯罪者である。マスコミにはヒーローとしてもてはやされたが、次第に裏切り者とされるようになる。追いつめられたマークは、さらに嘘を重ねるようになる。自分が襲われたように偽装し、シェパードに殴られ、証拠のテープを処分するように言われたと虚偽を証言。さらに、文書を偽造して医者からの手紙としてシェパードとFBIを非難する手紙を送った。マークの嘘は、この件に始まったわけではなかった。ことあるごとに自分が養子で、裕福な家庭に引き取られた幸運の持ち主だと吹聴していたが、これも嘘だった。養子であることにすれば人々の同情を買い、楽に生きることができるからだった。嘘で塗り固められたマークの虚像ははがれていく。その後、会社の問題ではなくマーク個人として横領と脱税の罪で懲役8年を言い渡され、服役する。不正に手に入れたお金は、最初は少なく行っていたが、最終的にマークが打ち明けたのは1000万ドル以上だった。
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