てづか

ポー河の水車小屋のてづかのレビュー・感想・評価

ポー河の水車小屋(1949年製作の映画)
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イタリアを知ろうシリーズ。

何度もみてはあまりの疲れのために寝てしまっていたのだけど、これを観ないと先に進めないのでちゃんと観ようと腹を決めて観ました。


ものすごく幸せそうな雰囲気で物語が幕を開けたのに、それ以降はずっと悲惨な状況が続いて結構切なかった。

社会主義が広まりつつあるイタリアを描いていて何が起こってるかは分かるように丁寧に説明してくれてるのは理解出来たんだけど、いかんせん私の頭がちょっとついていかなくて大変だった。

なんでもっと社会の授業きいておかなかったんだろう。

今からでも社会の勉強しなくちゃ。

労働者のなかでもみんなが一致団結している訳じゃなくて、周りの人たちがストを起こしている中でも働かなきゃ生きていけないとして働く人もいたり、それによって組合から裏切り者扱いされて村八分にされたりしていて、そんなこともあるんやと思った。

今までストライキなんて全然馴染みがなかったし、どういう感じでそういうことしてるのか知らなかったけどめちゃくちゃ怖いなって思った。

今のコロナ禍で起こっていることと被るところも沢山あったから余計に怖かったのかなとも思う。
行き着く先はやっぱりこれなんだ。
沖縄決戦の踊る老婆のシーンを思い出して胸がざわついた。

愛し合ってたのに、そんな社会のせいでついに一緒になれなかった二人の結末がただただ悲しい。


「このように人の善と悪は行つ戻りつする
河の流れと時の流れはよく似ている」

ラストのこの言葉は、ゆく河の流れ的なことなんかな?
自分にも善と悪は両方あるし行ったり来たりしてしまうこともあるけども、河の流れと同じように時間は止まってくれない。そんな中でやっぱり大事なのはどう生きるかってとこなのかなぁ。

社会がどうあっても大事なものだけは見失いたくない。

そんなふうに思えた映画だった。
悲しいけど好き。
てづか

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